資格マニア…ではないけれど、資格は好き。今回はそんなわしの性格が仇になって失敗したお話を。資格商法ってこういうのを言うのね。
脊髄反射で行動するからだよ!バカだね!
介護・福祉関係の資格を持っているわし。ある日、介護・福祉以外の、仕事とは関係ない趣味の資格も欲しいとネットをうろうろ検索しておりました。
そうすると、アクアリウムプランナーという資格が。
へえ、面白そうだな…と思ったわしは、物は試しと申し込んでみました。
それが奈落への落とし穴だとも気づかず。
薄っぺらい封筒が届く
申込から数日後に試験問題が代引きで届くそうです。
そして到着した試験問題。

めっちゃ薄い封筒1つ。
代引き10,000円を払いつつ受け取るも、非常にいや~~な予感がします。
開封。
鑑文、問題のみ。
返信用封筒もなし。
この瞬間悟りました。
やっちまった!!
恐ろしい難易度の試験問題(低い方で)
いやまて。そういえばわしは在宅受験型の資格試験は初めてだ。こんなモンなのかも知れん。
落ち着いて書類を見てみよう。
問題数は少なくてももの凄くハイレベルな専門的な問題が出されているかも知れない。なぜか額に汗をかき腕に鳥肌を立たせながら、封筒を開け試験問題に目を通してみました。
表紙入れてA4ペラ3枚。
全20問。
もの凄く低レベルな問題。
わしの小学生の娘でも解ける。
確実にやらかした。資格商法だこれ。
ホームページがヤバい
悔しいのでどんな会社か調べてやる。
改めて『日本デザインプルランナー協会』なる団体のホームページを見てみます。

略称はJDP。
…ん?JDP?
トップ画面では、フリー素材感抜群の”何かを考えながらペンを持っている女性”がお出迎えしてくれます。
しっかりと『各種デザイン・設計・芸術関連などの分野の資格を扱っている資格認定団体です』と書いてあります。看板に偽りなし。

このあたりから怪しくなってきます。
『デザイン技術の各スキルの水準がある一定以上であることを認定する機関です』と明記されています。
文中の「ある一定以上であることを認定」「客観的な評価の尺度」「各スキル技術者の社会的地位の確立」「要求される基本的な技術」という文言がポイント高いです。
認定している資格が山ほどある
扱っている資格めちゃくちゃ多いです。ありそうで聞いたことない資格ばかり。
百聞は一見にしかず。どうぞ。

取り敢えずインテリアデザイナーとインテリアアドバイザーの違いを知りたい。
日曜大工スペシャリストって名乗るのもダサいなあ。試験問題も電動インパクトの写真とか載せて「これは何でしょう?」という問題とか出そうだな(笑)。
合格証が有料!
わしは『試験に合格(資格を取得)したら合格証書がもらえる』と思い込んでいましたが、その概念は間違っていたことに気づかされました。

合格者専用ページには「認定証は有料」としっかり書かれています。
さらに、合格認定証発行申込フォームを覗いてみると…

合格認定証5,500円。
認定カード 5,500円。
なんてこった。ここでもお金がかかるのか…。
確実に商売ですね。凄い。
わしが持っている最も珍妙な資格(?)の『亭主関白道 初段』ですら追加費用なしで認定証交付されたというのに。
(参考:全国亭主関白協会)
官公庁へのリンクが貼ってある

ホームページのフッターには各種ページや関連ページへのリンクがありますが、なぜか経産省など官公庁へのリンクが。
これ、国のお墨付きを得ている団体・資格だと誤認されませんかね(楽しい)。
同じデザイン関連団体と略称が被っている

略称JDPにひっかかったわし。
試しにGoogle先生でJDPと検索すると一番最初に表示されるのは公益財団法人日本デザイン振興会。
ああ、そうだ。ここと同じなんだ。

公益財団法人としても登録されている、真っ当な団体です。
グッドデザイン賞を認定している機関なのでメディアにもよく出ていますよね。
同じ「デザイン」に関わる機関で同じ略称なんだね。
日本デザイン振興会は60年の歴史があるそうですが、JDPという略称を使い始めたのはどっちが先なんでしょうね。
知らない人、間違わないかなあ。
運営会社の実態は…?
次に、日本デザインプランナー協会に掲載されている『特定商取引における表示』を見てみましょう。

ほほう、一応ちゃんと連絡先書いていますね。
ちょっと調べてみます。
がっつりレンタルオフィスの東京拠点
Google先生に『東京都中央区日本橋兜町5-1 AIG兜町ビル3階』を教えてもらいます。


がっつりレンタルオフィスでした。
福岡拠点が本拠地か?
続いて福岡の拠点。

どうやらサンマリノビルという建物の中らしいですね。部屋数もけっこうあり、飲食店などのテナントも入っています。
結局何をやってる会社なんだ
運営会社の『株式会社ファンタジスタnet』を調べてみました。

最初に表示されるのが2013年のプレスリリース。
次いでヘネシーカパルアという名のショッピングサイト。
プレスリリースサイトを見てみましょう。オラわくわくして来たぞ。
ホームページが死んでる

まず概要にあった同社のURLですが、

死んでました。
関連ページもほぼ死んでる

運営サイトの一覧も掲載されていました。
ここまで来たので1つずつリンクを辿ってみましたが、

半分以上死んでました。
他のホームページも色々アレだった

同社の(生きている)運営ページの1つに『ヘネシーカパルア』というサイトがありました。上記URLは死んでいましたが、別ルートから辿ることに成功。
どうやら通販サイトのようで、トップでは『ここでしか手に入らない商品がたくさん!』と謳っています。

鬼の値段なんですが。
両面テープ2巻で1,444円ってどういうこと…。
当然、ヘルシーカパネアだけではなくAmazon・楽天等からも購入する事が出来ますので参考までに。
何なら地元の個人経営の文房具店に売っていますよね。
結論
まだまだ先がある!
この後も関連リンクを辿ったり検索をしたところ、某一級建築士事務所まで行き着いてしまったのですがこのへんで勘弁して下さい。凄く疲れた。
何だか商売の闇を少しだけ覗いてしまった気がします。
「気」だけかも知れないですけど。
脊髄反射で資格申込はしないように
今回の教訓としては「資格が欲しいからって飛びつくなよ」の一言に限ります。
そもそも今回は、自己顕示欲が強く資格がレゾンデートルになっているわしの軽率な行動が発端なんです。それで不要なお金を払ってしまい、挙げ句にストーカーのように運営会社を追っかけてしまいました。
お金と時間のムダすぎる。
結局受験しませんでした。意味ないです。
申込料はもう「勉強代」として考えないことにしています。
皆さんは同じ轍を踏まないで下さい。
コメント
[…] ≫ 参考 ・資格商法に自ら引っかかりにいったら色々ヤバかった話。-kakamen.jp […]
検索からこちらを拝見しました。
わかりやすい記事で大変参考になりました。
というのも、私はあるお稽古ごと(デの教室をしているのですが、
『○○の通信教材の監修をしてほしい』とSNSで依頼がありました。
『一切料金は発生しません』とも。
(監修依頼するのにタダ働き?って言うとこから突っ込みどころですかね)
依頼元を遡ると、福岡の某一級建築士の会社に関係していること、
この教材が『日本デザインプランナー協会』の認定資格の必須条件になっている、ということがわかりました。
そしてこちらの記事までたどり着き…
悪徳商法に関わってしまう可能性があったんだ、と思うと恐ろしいです。
怪しさ満点の監修依頼で受ける気はなかったのですが、
記事を読んでその判断に間違いはない!と確信出来ました。
ありがとうございました。
私のコメントもどなたかのお役に立てればと思い、残させていただきます。
わー!こんな更新頻度が少ないサイトにコメントいただいてありがとうございます。
お楽しみ頂けたなら幸いです。
しかし、日本デザインプランナー協会の資格の必須条件になっている教材…大変失礼ですが、中身があるものでしょうか?試験問題自体が低レベルなもので…。
教材の監修を無料でやってくれ!というのも虫が良すぎる話ですよね。断って良かったと思いますよ。
本業のお仕事、頑張って下さい!
助かりました!
とりたい資格があり、資料を請求して、5資格10万円試験なし。
安いと思いました。
通常の受験方法を見て、届いた試験問題を返送するとなっており、カンニングし放題?どう事?
と、調べてここに辿り着きました。
明日には申込もうと思っており、あぶないところでした。
今勉強中のちゃんとした資格に集中してがんばります。
コメントありがとうございます。
資格は「一定の知識・技術があるよ」の証明だと思っているのですが、ハッキリ言って当該サイトの資格は全くその機能を有していないと感じます。
民間資格も玉石混淆ですが、下の下ですね。持っていても全く意味の無い資格群だと思います。
類似した分野の資格である場合、ほぼ確実に国家資格・公的資格の方が求められる知識・技術は「上」ですのでそちらを受験することをオススメします!
合格に向けて頑張って下さい。