介護職員は敬語・丁寧語が当たり前。②意見交換

モラル

前回『介護職は敬語・丁寧語が当たり前』という記事を書いたのですが、そこのコメント欄はそれまでにないほど盛り上がり?ました。
そのやり取りを掲載してみます。前々ブログで初めて記事にしたのが2013年ですから、もう7年も前になりますが。

同調してくれたコメント

お客様に敬語で話すのは当たり前です。
もし、他のサービス業で、お客様にタメ口なんてきいたら、そのスタッフはその場で解雇ですね。
お客様にタメ口をきいて解雇されないのは介護職くらいでしょう。
お客様に対する言葉使いもできないくせに、介護の質の向上なんてできるわけありません。
介護職は、丁寧な言葉使いをする義務があるのです。
介護を仕事としてするつもりなら。
できないならやめてもらいましょう。
そもそも、他のサービス業では、接客七大用語(七以上あるかも)があり、就業前にそれを言ってから仕事に就いています。
介護職も言えばいいのに。

まさに仰る通りで、顧客に対し敬語で話すのは当たり前なんですよね。わしだって他のサービス業で同様の言葉遣いされたら気分が悪くなります。
接客七大用語というものもありますね。介護業界独自(もしくは事業所単位)で決めちゃえば良いのに。

疑問をぶつけてくれたコメント①

初めまして介護の仕事をさせていただいてます。
言葉遣いについて調べていたら
ここに辿り着き拝見させて頂きました。
私は老健→グループホーム→今老健にいます。
『言葉遣い』って難しいと今でも思います。
正直、私は、ケースバイケースです。
認知症専門ですが、利用者様の『その時』、に合わせています。
時に、娘を、嫁を、孫を演じます。
なので決して全てが良い言葉遣いではありません。
家族様には上記をお伝えした上、『お父さんも娘が1人増えて嬉しかったと思います。最期まで娘を演じて下さり看取ってもらい寂しい思いせずお父さん幸せ者です』とそんな言葉を頂戴しました。
今ではそう言って頂けたことが私の誇りです。

未熟者ですが、『言葉』ではなく心ではないかと。。。
そしていかに演じるか。そう思っています。
勿論信頼関係あってこそですが。

初めまして、コメントありがとうございます。検索の上たどり着いて下さったとのこと、とても嬉しいです!
仰る通り、言葉遣いというモノは非常に難しく、一朝一夕で身につく性質のものでもありません。ですが我々のようなサービス業・ホスピタリティ業では欠かせないものだと思います。

さて、あなたの書き込み中の「全てが良い言葉遣いではない」という点については賛同しかねます。
我々はご利用者1人1人を人生の先輩として尊敬し、顧客として丁重に対応しなくてはいけない立場です。いくら認知症があるご利用者であっても、タメ口や家族同様の言葉遣いを用いるというのはご利用者を馬鹿にした行為であると言われてもやむを得ないでしょう。

我々は家族にはなり得ないのです。

「家族(自宅)が一番だけど、ここ(事業所)もまあ良いかな」と思っていただける事が重要だと思っています。
その為には最低限「その地域での常識に反しない範囲で丁寧語・敬語を用いる」ことが求められると思います。
介護サービスを標榜しているからこそ、明確なプロ意識を持ち『尊敬語・丁寧語でコミュニケーションをとりながら信頼関係を築く』よう努力するべきだと思っていますが、いかがでしょうか。

またご家族にも伝えた上でこのような対応をしていると書かれていますが(「子どもを演じます!」とでも説明しているのでしょうか?)、経験上申し上げますと、「施設に預けている」という負い目を感じているご家族は、施設側から「こうします」と言われると内心では快く思っていなくても同意してしまうことがままあります。
またそれまで介護に関わったことのないご家族はどうして良いか解らず、例えば「職員はこの方の息子を演じて接しますので」と言われれば「そんなもんなんだ、それが介護業界では当たり前なんだな」と捉えてしまいがちです。
つまり、ご家族の言葉・同意を金科玉条としてはいけないのではないでしょうか。

辛辣な意見かも知れませんが、参考にしていただければと思います。
またの訪問をお待ちしています!

こちらからご家族様にそうは言っていません。ご家族様からお父さんがそう思い込んでいるのならそう言わせてやってほしい、痛みは取り除けない、毎日も会いに行って安心もさせられないとのことでした。

そうですね…。
今までいかに間違った行動をしていたかわかりました。
今更ですが、自分の言動、行動ももう一度振り返り業務に就きます。

ただ何となく学校へ行き、この仕事に就き、何となく続いて今ここにいること、こんなんじゃダメですね。反省の毎日です。

ご指摘、ご指導ありがとうございました。

返信ありがとうございます。とても嬉しいです。
何も悲観することはありません。なぜなら今現在、まだまだ多くの介護職員が丁寧語・敬語で話せていないからです。この問題は非常に根深く、すぐに改善されるモノではありません。だからこそ、根気強く「言葉遣いは大切だよ」という事を言い続けなくてはいけないんです。

しかしあなたはわしの返信を読んで、考えるきっかけを持って下さった。きっと本やネットで言葉遣いについて調べて、疑問を感じ始めたと思います。これは、レベルアップのための第1歩と言えると思います。
まず、たった1つだけ、「ご利用者・ご家族と常に丁寧語で話すこと」を徹底してみて下さい。早ければ1ヶ月程度で、周囲の言葉遣いが気になり始めると思います(実際わし自身がそうでした)。「今までこんな言葉遣いをしていたのか」とショックを受けるかも知れません。けれどもそれこそが、「何となく続けている」現状を打破するきっかけなんです。

そのための第一歩を踏み出したあなたは、きっと良い介護職員になると思います。これからも壁にぶつかることもあると思いますが、影ながら応援しています。

またの訪問をお待ちしています!

こんな私に、コメントありがとうございました。

自分は今まで何をしてきたんだろう、何をしても向いていないのかもしれない、正直そんな自分にすごく落ち込みました。いつものことですが(汗)
いつも振り返っては、『もう辞めよう』と思う日があればもう少しもう少しと今に至ります。

辞めるのはいつでも辞めれるのでまたもう一回初心にかえって実践してみます。もう少し。

ありがとうございました!

こちらこそ、何度も訪問&コメントとても嬉しいです。ありがとうございます。
あなたのように悩み苦しんでいる人はとても多いと思います。わし自身も毎日「何をしているんだろう」「これで良いのかな」と自問の日々です。ですが自分なりに知識を得て、考え、実践しなくては何も進まないと思い、苦しみながらも一歩ずつ歩んでいるつもりです。

また「初心にかえって実践する」とのこと、とてもステキだと思います。きっと新しい気づきが生まれるのではないでしょうか。

こちらこそ、ありがとうございました。
またの訪問をお待ちしています!

疑問をぶつけてくれたコメント②

通りすがりの者ですが・・・はじめまして
今、私の施設では言葉使いについて、見直しが始まってきています。
しかし、今までの事がある為、すぐには変わらないのが現状です。
施設における敬語について、以前にも何度か調べた事があり、今回再度調べた所、KAKAMEN様のブログに辿り着いた為、拝見させて頂きました。
ブログ内にある「私は、利用者との信頼関係を築くために、親しみ易いようにこんな言葉遣いをしているんです」と。
この発言をしている職員については、私自身も反対意見です。信頼関係を築く為にタメ口を使っていては信頼関係など築くことは不可能だと思います。
しかし、信頼関係が既に構築されていた場合どうなのかという事が正直難しいところだと思っています。
ビジネスの世界において、大規模なチェーン店ではお客様にタメ口聞くなど考えられないですが、小規模な個人の店ならどうか?という話を耳にしました。例えば下町の理容店、喫茶店、飲食店、親しい常連客に店主がタメ口で話しても、多少無礼な事を言われても顧客が怒りだすかと言えばそうじゃないと・・・
施設に入居した場合、家族よりも職員と過ごす時間の方が長いという事もあり、入居者様自身が職員を一家族と見ているケースもあります。
初対面でのタメ口はあり得ないと思いますが、一年以上共に過ごしていると多少なりと崩れてしまう事もあります。

私自身、デイサービスに勤めた経験はありません。家に帰れる方とずっと施設で生活する方によって利用者像に相違があるのでは?と思ってしまいます。
KAKAMEN様の、詳しいプロフィールが無かった為、現場に居た事はあったのか、デイサービス以外での仕事はしたことがあるのか等分からずこのような意見を述べてしまった事はお詫び致します。
私自身まだまだ未熟者なのでこう考えてしまいがちですが意見を頂ければ幸いです。
長文失礼致しました。

返信が遅くなり申し訳ございませんでした。コメントの返信を書いていたのですが、文字数オーバーで投稿できませんでした。なのでお手数ですが、別途記事を作成してお返事とさせていただきます。

※当時コメント欄の文字制限以上に書き込んでしまったため、別立てで記事を作成してお返事しました。その記事は後ほど…

悩みをぶつけてくれたコメント

始めまして、僕はつい3月まで高校生でした。
今年の4月から介護の仕事をしています。ちなみにグループホ-ムです。確かに敬語は大事ですよね。僕の職場では敬語皆さんほとんどタメ口なんですよ。疑問に感じてリーダーに質問したんですが、確かに良くないよねとは言ってたんですが、他のスタッフにも注意してる見たいですが、肝心のリーダーがタメ口で接してる時をよく見かけるんですよ。オ-ナ-も入居者と話す時タメ口なんですよ。どうすればいいか解らなくなってくるんですよ。僕は敬語で話してるんですが。

訪問&コメントありがとうございます。
高校を卒業されてすぐに介護業界に入っていただいたこと、とても嬉しく思います。
しかし、希望に満ちて就職した先で抱いた疑問。辛いですよね。
あなたが思う『敬語が大事』という感覚そのものがとても重要です。ところが、長く勤めている人の中にはその当たり前の感覚が薄れている人がいるのも事実です。
経験上、「良くないよね」と言い続ける人は実際に何とも思っていない人です。またグループホーム勤務という事ですが、運営法人が社会福祉法人か株式会社等かによって基本スタンスが異なってくる場合もあります(運営する会社によって職員のケアの質が異なる事はよくある事です)。本当は『ご利用者に対する言動』は普遍的なものであるはずなんですけれどね。

しかし、どんな考え方を持っている上司やオーナーであれ、周囲からの働きかけで考え方を改める場合も多々あります。まずはぐっちーさんが、率先して敬語を使うことを継続してはどうでしょう。そして徐々に自分の考えを明らかにし、同調する仲間を増やしていくことが力になると思います。

一つ確実に言える事は、あなたの主張・感覚は全く間違っていない、ごく正しいものです。それを忘れず、日々の仕事に汗を流して欲しいと思います。
またの訪問をお待ちしています。

はい率先して敬語を使って皆さんのお手本になるように頑張ります。
まずは1年頑張って見ます。またよろしくお願いします。

そう思っていただけたのなら嬉しいです。
石の上にも三年と言いますので、まずは自身の信念を持って継続してみるのは良い事だと思います。
応援しています!

自戒の意味を込めてのまとめ

いかがだったでしょうか?7年前のブログのコメント欄からご紹介しました。

基本的な言葉遣い・態度についての考え方は今も変わっていません。

が、この間にわし自身の立場は変わり、言うのは簡単・浸透させるのが難しい、という事を痛感しています。

偉そうな事を宣っているわしの事業所が、ご利用者に対して完璧な言葉遣い・態度をとっているかというと決してそうではありません。

けれども団塊の世代に代表される三者三様の人生を歩んだ方に多様なサービスが求められる現実、介護サービス業が飽和状態であること、利用者の負担増・介護報酬の削減路線…などなど、昨今の介護保険制度を取り巻く状況を総合的に勘案すれば、サービス業として最低限のマナーが担保されていない介護事業所は淘汰されると断言できます。

正直に言って、わしも日々の仕事の中で言葉遣いが緩くなってしまうことも多々あります。これこそ、わし自身がわしの考えをしっかり持っていない証左です。

しかし過去のブログやコメントを読み返すことで「こんな偉そうに発言もしてたんだぞ、今のお前はどうなんだ?」と自問し、気を引き締めたいと思うのです。

さて、皆さんはどうお考えですか?

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